アルギニン/シトルリンの精力増強効果とは?摂取量は?
カテゴリー精力増強/ED
精力増強剤の記事には、アルギニン、シトルリンという名前がよく出てきます。アルギニン、シトルリンの効果ってどのようなものなのでしょうか。
また、どれくらい摂取すると効果が出るのでしょうか。ここでは、精力増強剤の代表的な2つの成分について、詳しく見ていくことにします。
アルギニンとは
アルギニンは、非必須アミノ酸もしくは準必須アミノ酸と呼ばれるアミノ酸の一種です。非必須アミノ酸、準必須アミノ酸というのは、人体で生成することのできるアミノ酸です。
つまり、もともと食事やサプリメントなどで摂取しなくてもいい成分なのですが、年齢を重ねるごとに体内での生成量が減少していくので、食事によって補う必要のあるアミノ酸です。
アルギニンは1886年にマメ科の植物の芽から発見されましたが、漢方では古くから滋養強壮・婦人病・肝炎の治療に用いられていました。
アルギニンの効能
アルギニンには以下の効能があります。
- 成長ホルモンの合成促進(身長を伸ばす効果)
- 疲労回復
- ED改善(勃起力アップ)
- 動脈硬化の予防
- 成長ホルモンの合成促進
成長ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンですが、アルギニンは成長ホルモンの合成・分泌を促進します。成長ホルモンは、成長期の子供の骨や筋肉の成長を促し、特に身長を伸ばすのに欠かすことのできないホルモンです。
「成長ホルモンの合成は、成長が止まった大人には関係がないのでは?」と言う人もいるかもしれません。
しかし、たとえば、筋トレをしたときにも成長ホルモンは分泌されますし、疲労回復やお肌の健康維持のためにも成長ホルモンは必要なものなのです。そのため、成長ホルモンは成長が止まったら、いらないというものではありません。
また、大人になって成長ホルモンが不足すると、老化が促進されるといわれています。10代の頃と比べて、40代になると成長ホルモンの分泌量は半分以下に減少します。したがって、年齢を重ねた大人こそ、老化防止や健康維持、精力維持のために成長ホルモンが必要なのです。
疲労回復
アルギニンは、身体疲労の改善や、脳疲労と呼ばれる認知力の低下による疲労に対しても、効果を発揮することがわかっています。また、アルギニンは一酸化窒素を生成します。
一酸化窒素には血管を拡張する働きがあるため、大量の血液が体内をズムーズに循環するようになります。血液の循環がよくなると、ビタミンや糖分、アミノ酸といった栄養素を、細胞の隅々まで早く大量に届けることが可能になります。
これだけではありません。
アルギニンにはさらに重要な役割があります。疲労がたまると、体内でアンモニアが発生します。アンモニアは有毒物質なので、肝臓内の尿素回路(オルニチン回路)で無害な尿素に変えられ、尿として体外に排出されます。
しかし、疲労がたまりすぎると、尿素回路での処理が追いつかなくなります。そこで、アルギニンが尿素回路に働きかけ、アンモニアを尿素に変換して、体外へ排出するのを助ける働きをします。
アルギニンにはこのような大切な役目があるので、アルギニンが不足すると慢性疲労が続いて、いろんな弊害が出るようになります。
ED改善(勃起力アップ)
アルギニンは一酸化窒素の生成に不可欠なアミノ酸ですが、一酸化窒素には血管を拡張する作用があります。このことは勃起力アップと密接な関係があります。
なぜなら、勃起力不足はペニスに流れ込む血流量が足りなくて、十分に硬くならないために起こるからです。
ペニスに十分な血流が流れ込むには、血管が広がらなければなりません。そのため、血管拡張作用のある一酸化窒素は、勃起力アップのためになくてはならない成分なのです。
また、アルギニンは男性が男性らしくあるための性ホルモンである、テストステロンの生成に欠かせないアミノ酸でもあります。
動脈硬化の予防
アルギニンは、動脈硬化の予防に役立ちます。動脈硬化とは、簡単に言えば動脈の柔軟性がなくなって固くなった状態です。
動脈に柔軟性がなくなると血管がもろくなり、心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中などを引き起こす恐れがあります。動脈硬化は、高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙習慣・肥満・運動不足・加齢などにより、一酸化窒素の生成量が減少するために起こる症状です。
血管がもろくなると勃起にも影響しますので、勃起力不足を感じたら動脈硬化を疑ったほうがいいでしょう。動脈硬化をほっておくと重篤な病気につながりますので、勃起しなくなったら危険信号だと思って、すぐ病院にかかったほうが賢明です。
シトルリンとは?
シトルリンは、1930年に日本の研究者が、スイカから発見したアミノ酸の一種です。
スイカ以外には、メロンやキュウリといったウリ科の野菜に多く含まれています。ところで、シトルリンには、「L-シトルリン」と「シトルリン」という2つの表記があります。
これは、シトルリンにL型とD型の2種類が存在するからです。L型をL-シトルリンと呼ぶわけですが、人体に有効なのはL型だけなので、サプリメントを選ぶ場合は、L-シトルリンと表記されている商品を購入するようにしましょう。
シトルリンの効能
シトルリンには以下のような効能があります。
- 動脈硬化の予防
- 血管の拡張効果
- 疲労回復
- 動脈硬化の予防
シトルリンを摂取すると、血管内皮細胞で一酸化窒素が生成されます。この一酸化窒素の働きで血管が拡張され、動脈硬化を予防します。
アルギニンも同様の効果がありますが、この一酸化窒素で血管が拡張され柔軟性がアップする現象は、1998年に発見されました。
一酸化窒素といえば、排気ガスやスモッグ・酸性雨といった環境破壊の原因物質として知られていますが、これが人間の体内に入ると動脈硬化を予防し、勃起力アップに効果を発揮するのですから不思議なものです。
血管の拡張効果
シトルリンを摂取すると一酸化窒素が生み出され、血管が拡張して血流を促進します。その結果、ペニスに流れ込む血液量が増えて、勃起力アップとペニス増大効果を期待することができます。
また、血管が拡張することにより、脳へも大量の血液が流れ込むので、活力アップや集中力のアップ、記憶力アップなどの効果も生まれます。さらに、女性の悩みである冷え症やむくみの改善、アンチエイジングにも効き目があります。
疲労回復効果
スポーツなどで疲労した際に、生成されるアンモニアを取り除く働きや、乳酸の消費を促進する作用などにより、シトルリンを摂取すると疲労回復に一定の効果を期待できます。
アルギニンとシトルリンの切っても切れない関係
アルギニンとシトルリンには勃起力アップ効果がありますが、それには一酸化窒素が大きく関係しています。アルギニンとシトルリンを摂取すると、血管内に一酸化窒素が分泌され血管が拡張されます。
その結果血流が促進され、ペニスに流れ込む血流が増えて、勃起力がアップするわけです。脳が性的な刺激を受けると、勃起中枢へ勃起するよう指令が伝達され、血管の内皮細胞で一酸化炭素が生成されて血管が拡張します。
そしてペニスの海綿体に大量の血流が流れ込むのが、勃起のメカニズムです。勃起の仕組みについて、もう少し詳しく説明しましょう。
一酸化窒素の働きにより、サイクリックグアノシン1リン酸(cGMP)という酵素が作り出されます。cGMPによって血管平滑筋と海綿体平滑筋を弛緩させ、ペニスに血液が大量に流れ込むことで勃起が始まります。
つまり、内皮細胞から一酸化窒素が分泌されないと勃起しないわけですが、ここの仕組みにアルギニンとシトルリンが関わっています。性的興奮が収まってくると、PED5という酵素が分泌され、一酸化窒素の生成を抑制してペニスが元のサイズに戻ります。
PED5は勃起を収めるために必要な物質ですが、何らかの原因でPED5が大量に生成されると勃起不全になってしまいます。
このPED5を強制的に抑制するのが、バイアグラなどの勃起補助薬ですが、勃起補助薬にはPED5の抑制効果しかないため、精力増強やペニス増大には役立ちません。
アルギニンとシトルリンの相乗効果
アルギニンとシトルリンは、同時に摂取することで相乗効果が生まれ、血中アルギニン濃度の上昇促進効果が発揮されます。ここで、相乗効果のメカニズムについて説明してみましょう。
アルギニンが一酸化窒素を作る過程で、シトルリンも生成されます。生成されたシトルリンは、アルギニンにリサイクルされ、アルギニンとなります。
このリサイクルされたアルギニンから、再度一酸化窒素とシトルリンが作られるのです。この変換のサイクルを何度も繰り返すことにより、血中アルギニン濃度が上昇し、一酸化窒素の生成を劇的に増やすことができるのです。
アルギニンとシトルリンの摂取目安量
一酸化窒素を発生させ、血管を拡張して勃起力アップに効果を発揮するアルギニンとシトルリンですが、ではどのくらい摂取したら良いのでしょうか。
アルギニンの1日の摂取量は、専門家の間でも数値がバラバラです。一酸化窒素が血管を拡張する事実を突き止めたルイス・J・イグナロ博士は、1日3000~6000mgの摂取をすすめています。
しかし、日本のメンズクリニックでは、1日500mgの摂取でよいとするところもあります。また、海外の論文では5000mgの摂取をすすめるものもあります。ちなみに、アルギニンの1日の摂取量の上限は15,000~21,000mgとなっていますから、これ以下なら問題はないことになります。
また、シトルリンの1日の摂取量は、800mgが推奨されています。
ただし、これは公式なものではなく、あくまでも目安でしかありません。アルギニンとシトルリンは、サプリメントによって大量に摂取することが可能です。
しかし、それを一酸化窒素に変換する酵素の量が決まっているために、一定量の一酸化窒素しか生成することができません。使われなかったアルギニンとシトルリンは体外に排出されてしまうので、お金をかけて大量に摂取しても無駄になってしまいます。
アルギニンには副作用がある?
アルギニンはアルカリ性なので、大量に摂取すると胃腸への負担が大きくなります。その結果、下痢や胃のむかつきなどが起こることがあります。ただし、サプリメントでアルギニンを摂取したとしても、特に副作用を心配する必要はありません。
もし気になるのであれば、アルカリ性を中和するクエン酸が含まれた食べ物やサプリを、併せて摂取すると良いでしょう。また、オレンジジュースなどの酸性の物と一緒に飲むのもおすすめです。
アルギニンとシトルリンが多く含まれる食材は?
アルギニンを食材から摂取するのは比較的簡単です。下記の食材100gあたりに、これだけの量のアルギニンが含まれています。
- 鶏むね肉:1300mg(市販のサラダチキン1パック)
- 牛ひき肉:1300mg(ハンバーグ大1個分程度)
- くるまエビ:2000mg(2~3尾)
- 豚ロース:1300mg
- マグロ:1300mg(刺身8~10切れ)
- 納豆:940mg
- 豆腐:500mg
これに比べ、シトルリンは食材から摂取するのは困難です。
下記の食材100gあたりに、以下の量のシトルリンが含まれています。
- スイカ:180mg
- メロン:50mg
- きゅうり:9.6mg
- ニンニク:3.9mg
シトルリンの1日推奨摂取量は800mgですから、とても食材から摂ることはできません。アルギニンは食材から摂取することが可能ですが、シトルリンはサプリメントを飲むよりほかありません。精力増強専用サプリには、アルギニンとシトルリンが含まれています。
そのほかに、男性ホルモンのテストステロンの生成に欠かせない亜鉛をはじめとして、ビタミンB1やマカ・トンカットアリなどの有効成分が含まれています。ただし、ネット通販で販売されている精力増強サプリは、成分をごまかすなど、実質的に有効成分の少ない粗悪品が多いのも事実です。
良質な精力増強サプリについては、以下の別記事をご覧ください。
アルギニンはいろんな働きをする
アルギニンは体内で一酸化窒素を生成して、血管を拡張することはよく知られています。しかし、これ以外にもアルギニンの作用はいろいろあります。
たとえば、アルギニンにはインスリンの分泌を促進する働きがあります。
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島という組織にあるβ細胞で作られますが、食事をして血糖値が上がると、膵臓のβ細胞がそれを察知してインスリンを分泌します。
このとき、アルギニンがインスリンの分泌を助けるわけです。インスリンは、各細胞に届いた血糖をエネルギーに変換する重要な作用をします。
また、インスリンは蛋白質を合成したり細胞増殖を促進するなど、体の中で大切な役割を果たしています。アルギニンは、このインスリンの分泌にも関わっているのです。
成長ホルモンの分泌を促進
アルギニンには、成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。成長ホルモンの分泌量が増えることにより、蛋白質の合成を促進する効果があります。
コラーゲンの合成を促進
人間の体内でコラーゲンが合成される際に、アルギニンが必要となります。
成長ホルモンにもコラーゲンを合成する作用がありますが、アルギニンは成長ホルモンの合成を促進する働きもあるので、アルギニンは二重にコラーゲン生成に貢献していることになります。
このように、アルギニンは勃起力アップのほかにも、体内で重要は仕事をいくつもこなしています。
ただし、アルギニンにも問題がないわけではありません。実は、アルギニンにはヘルペスウイルスを増殖する作用があるのです。そのため、ヘルペスに感染したことのある人は、アルギニンの摂取は控えたほうがいいでしょう。
どうしても飲みたい場合は、リジンと一緒に飲むとヘルペスを抑えてくれます。ヘルペスは、一度感染すると治ったように見えても、ウイルスが残っている場合があるので注意が必要です。
また、アルギニンは強いアルカリ性なので、そのまま飲むと胃や食道を傷つけるおそれがあります。
胃を荒れさせないためには、クエン酸などの酸が入ったサプリメントを飲むと中和されます。また、アルギニンは味がよくないので、カプセルで飲むか何かで味をつけて飲むことをおすすめします。
吸収率が違う
アルギニンとシトルリンはよく似た作用をしますが、シトルリンにはこのような問題はありません。
違いを挙げるとしたら、アルギニンにはアンモニアの解毒作用があるのですが、シトルリンにはありません。ちなみに、アルギニンとシトルリンは吸収率にも違いがあります。
アルギニンは6割が肝臓で作用します。これは主に肝臓の尿素回路でアンモニアを分解するためですが、残りの4割は腸で使われてしまいます。
しかし、シトルリンは肝臓でも腸でも使われないため、アルギニンよりシトルリンのほうが吸収率がいいのです。
ただし、多くの場合アルギニンとシトルリンは同時に摂取されるため、アルギニンの吸収の悪さはあまり問題になりません。それは、アルギニンとシトルリンを同時に摂取すると、お互いに補いあうような作用をするからです。
シトルリンは体内でアルギニンに変わるため、シトルリンを摂取するとアルギニンを増やすことが可能です。また、アルギニンもシトルリンに変化してお互いの成分を生成しあいます。
オルニチン回路の作用
アルギニンとシトルリンは、オルニチンとも密接な関係があります。オルニチンとは、肝臓のオルニチン回路(尿素回路)で作用する成分です。
オルニチン回路では、アンモニアを分解する過程でオルニチンと尿素を生成します。このとき、オルニチンがアンモニアと反応してシトルリンが作られるのです。
さらに、シトルリンはアンモニアと反応して、今度はアルギニンが作られます。この際に、アルギニンがアンモニアに作用して尿素を作り出します。
つまり、アルギニンが有毒物質であるアンモニアを分解して、無害な尿素に変えて体外に排出するわけです。
このように、アルギニンとシトルリンとオルニチンは、複雑な変換を繰り返しながら、体内で重要な働きをしています。
人間の体内ではいろいろと複雑な作用が行われていますが、アルギニンとシトルリンとオルニチンの働きほど、複雑な作用はないかもしれません。
まとめ
アルギニンとシトルリンを摂取すると、
- 成長ホルモンの合成促進(身長を伸ばす効果)
- 疲労回復
- ED改善(勃起力アップ)
- 動脈硬化の予防
- 血管の拡張効果
などの効能が得られます。
アルギニンとシトルリンは同時に摂取することにより、相乗効果が生まれてさらに効果的です。アルギニンとシトルリンを摂取すると体内で一酸化窒素が生成され、血管の柔軟性がアップしたり、血管が拡張する効果が期待できます。
これはそのまま勃起力アップにつながります。アルギニンは食事での摂取も可能ですが、シトルリンは食事のみで1日の推奨摂取量を確保するのは不可能なので、サプリメントでの摂取をおすすめします。
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