陰茎海綿体注射(PGE1)とは|なぜ注射が必要なのか|ED診療ガイドライン第3版を読んで

PGE1の陰茎海綿体注射とは

陰茎海綿体注射(PGE1)とは|なぜ注射が必要なのか|ED診療ガイドライン第3版を読んで

ED治療の最後の砦となる陰茎注射

ED治療をする中で、EDのレベルに応じて治療方法が変わります。軽症ED、中等症EDの場合、バイアグラの処方でもある程度の改善が可能なのですが、重症EDで、バイアグラを飲んでも効果がほとんどない場合には、陰茎海綿体への注射やステーシス挿入手術を行うことになります。

ステーシス挿入は海綿体内部に硬いシリコンの棒のようなものを挿入して強制的に固くするものなのですが、海綿体注射はそのステーシスよりは実施しやすい手術です。

PGE1注射をすると海綿体に流れ込む血液が多くなって、より勃起できるようになりますが、注射をするので痛みが伴うことが多く、注射の針を指す時の恐怖心もあって誰でもできるとは限りません。

このPGE1注射は、医師に注射してもらうだけでなく、自己注射する方法もあり、勃起が必要になる時に極細で痛みをほとんど伴わないPGE1注射をして勃起力を高めます。

注射をするため、陰茎に一時的にでも傷がつくのは事実で、病気を持っている人と注射直後にセックスしてしまうと性感染症の恐れがあるという心配もあります。

適切に注射できて、セックスする時にゴムを使用するとリスクは最低限に抑えたセックスも可能となるでしょう。

それでもペニスに注射するのは気持ちの面で不安は残るため、できるだけバイアグラ、レビトラ、シアリスなどで勃起不全を解消できたほうが良いでしょう。

勃起不全解消に即効性があるはずの治療

陰茎海綿体注射を行うと、即効性があると言って良いくらい勃起力が高まります。PGE1=プロスタグランジンE1は血管拡張作用があるもので、ペニスの中にある2つの海綿体組織にこのPGE1を注射すると勃起するのに必要なペニス周辺だけ血管拡張されて、勃起しやすい状態になります。

バイアグラやレビトラは全身に血管拡張作用が影響し、ペニスにまで影響が及ばない可能性がありますが、陰茎海綿体注射では、ペニス周辺だけにPGE1を働きかけさせて、血管拡張も効率的に実現されます。バイアグラやレビトラを飲んでも効果がなかった人でも、この海綿体注射で効果が期待できます。

この陰茎海綿体注射でも効果が感じられなかった場合は、そもそも心因性だったのではないか、と原因を再チェックし、本当に他に治療法がないか検討して、最終的にはプロステーシス挿入手術をすることになります。

プロステーシス挿入手術は挿入してしまった後に取り出すのは簡単ではなく、ペニス内に曲がる棒を埋め込むことになります。

一般的にはメスを入れる手術を選ぶ前に、禁煙、禁酒なども検討し、確実に勃起不全を手術なしで解消できるように治療方法を工夫することになります。

陰茎海綿体注射もバイアグラ、生活習慣改善などさまざまな工夫や検証を通してもダメだった場合の解決策の一つなので、安易にこれを頼ることはありません。

バイアグラで効果が薄い場合の方法

勃起不全治療をする際には、まずはバイアグラやレビトラを摂取する治療から始めます。同時に生活習慣の改善と運動習慣の確立をしていき、勃起しやすい体作りをしていきます。

勃起不全の要因が心因性の場合、また、前立腺や陰茎周辺の他の器官の問題だった場合は、専門の治療をする必要があります。ほとんどは、勃起する時にペニスに血液が流れ込むとよいのですが、血液の流れが良くない場合には勃起もうまくいきません。

バイアグラで効果が薄い場合に陰茎海綿体注射をすることになるため、基本的にクリニックに行ってからすぐに注射をすることを勧められることはありません。

治療の順番や治療の過程で注射が必要になるかもしれないことは説明されるかもしれませんが、ほとんどは注射をしなくても勃起不全は解消されます

基本やバイアグラなどの投薬治療

いきなり外科手術をするのは避けて

バイアグラ、レビトラ、シアリスなどの投薬治療をしても効果がほとんどない場合、他の投薬治療を試したり、ポンプ式のペニス増大器具やリングなどを使用してペニスの機能を改善するように努力することがあります。

メスや注射による治療ではなく、できるだけシンプルな方法で治療をした方がセックスでも安心してハッスルできるようになるので、時間や試行錯誤を試しながらの勃起不全治療となります。

バイアグラなどの勃起不全治療薬は、食前に飲むのが良いとされていて、食べる食事もカロリーを控えめにすると勃起力が高まると言われています。勃起不全治療薬の飲み方にも工夫が必要になります。

バイアグラを1回、2回飲んだくらいで効果がないからと、直ぐに手術をする決断をすることはありません。バイアグラがダメでもレビトラやシアリスを飲み、体に適したものを見つけていきます。

飲むタイミングや食事のとり方、運動と生活習慣なども工夫して、できるだけ効果が出るようにする研究も大切です。自分の体のことをよく知り、どんな状態だとバイアグラやレビトラ、シアリスの効果が発揮されるのか理解する必要があります。

一度最適な環境が分かってしまうと、食事、運動、飲むタイミングと容量などを合わせて、勃起できるようになります。運動と食事、禁煙も意外と大切なので、事前に生活習慣を変える覚悟はしておいてください。

まずはバイアグラやレビトラで治療

バイアグラ(シルデナフィル)やレビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)を摂取すると、ほとんどの勃起不全の症状は改善されます。

バイアグラやレビトラを摂取すると即効性もあって、勃起力も強く実感できるはずです。シアリス(タダラフィル)は効果が緩やかで、すぐには勃起力が高まりませんが、持続時間が長く、長い時は36時間は効果が継続します。

バイアグラは25mgと50mgの容量、レビトラとシアリスは5mg、10mg、20mgが用意されているため、容量を工夫して最も効果が得られるものを見つけて飲むのが最初に努力すべき点です。

まずはバイアグラ25mgを摂取してみて効果を見て、効果&副作用が強すぎる場合はシアリス10mgを選んで様子を見ます。シアリス10mgでも効果が薄いようなときは、シアリス20mgを選んで、勃起力が不足する分は運動習慣の改善、禁煙などでカバーすることになるでしょう。

バイアグラ25mgで副作用があまりなく、効果だけ薄い場合にはバイアグラ50mgかレビトラ10mgを飲むことになるでしょう。副作用が特に出ない場合、バイアグラ50mg、レビトラ20mgを選んで、あとはシアリスと同じく、効果がしっかりと出てくれるように生活習慣を改善していくことになります。

メンタルケアや精神不安の改善も大切

心因性EDであるかどうかは、本人が一番わかっていると思いますが、一応、妻にセックスを断られた経験がないか、過去にセックスに伴うトラウマがないか、仕事などのストレスが強すぎないか、疲労が蓄積しすぎていないか確かめ、メンタルケアが必要な場合には抗うつ薬や抗不安薬などの摂取も考えることになります。

先人の知恵を借りるとしたら、バイアグラと頭痛薬、抗不安薬を合わせて飲んでも問題はないと言われており、その組み合わせで勃起力改善できたとする声は多いです。

精神的な不安がない場合は、バイアグラと頭痛薬、鼻炎薬などを合わせるだけにすると、ほとんどは勃起力がアップするはずです。

EDの原因を明らかにすること

パートナーとの受診を勧められるのが一般的

いきなり陰茎海綿体注射を選ぶことにはならず、バイアグラを飲む前にも、夫婦、または、カップルでの受診を強く推奨されます。セックスは一人で行うものではないので、パートナーの協力が不可欠です。

一人暮らしの男性でEDに悩んでいる場合でも、男性医師、男性スタッフのみが在籍しているクリニックでは、オナニーの仕方などにアドバイスをしてもらえますが、結婚している場合には特にパートナーとの受診をすることになるでしょう。

特に、バイアグラを処方する場合は血圧への影響もあり、また、浮気でないことを明確にするために妻にバイアグラを飲むという事実を知っておいてもらうのは大切です。

一人でしか受診できない場合の対処法

一人でしか受診できない場合は、事前に医師にその事を伝えておくと良いでしょう。

妻、パートナー、セフレが病院に来れない場合には、男性一人で孤独に改善していくことになり、食生活の改善も、運動習慣も男性一人で努力して結果を出すことになります。

一人での受診に無理はないですが、治療をして勃起不全解消をしていくためには食事の改善などでかなり自炊の意識が必要になるため、覚悟をしておいてください。

コンビニや会社で渡される弁当、おにぎりで昼食を済ませていて、帰宅後はカップ麺ばかりの生活をしていると勃起不全になっても仕方がありません。

喫煙もしているようなときは、禁煙も食生活の改善も必要なため、一人で努力するという大変さを乗り越えられるかがポイントになります。

セックスパートナーがいない場合の対処法

勃起不全を解消してもセックスする相手がいない人もいます。それでも、オナニーをする機会はあるため、クリニックなどではしっかりと理解をしてもらえた上に、治療も可能です。

できるだけ風俗やデリヘルなどを試してみて、改善があるか試すのも大切で、更に理想を言うとセフレでも彼女でも良いので、セックスを経験すると勃起力も本来のパワーが戻ってくる可能性があります。

長い間ペニスを使っていないと勃起力は衰えてしまいるため、できる限りオナニーでも良いので、勃起と射精をする習慣は維持し、相手がいなくてもオナニーはするようにしましょう。

プロのAV男優も仕事がないときでもオナニーはして、日頃の習慣として勃起力は高められるように意識するため、一般の方でもオナニーは我慢せず、定期的に射精するようにしましょう。

持病がある場合の対処方法もある

糖尿病や高血圧がある場合のED治療

糖尿病や高血圧などの症状があると、その治療のために飲んでいる薬のせいでED治療薬を処方してもらえない可能性があります。

高血圧を抑えるために飲む薬がバイアグラやレビトラの効果と同じで、それらの作用が同時に出てしまうと血圧が下がりすぎて危険になります。

糖尿病の場合は肝臓や腎臓にも負担をかけすぎていて、結局バイアグラを飲んでも十分に効果が出ると言えないことがあります。

糖尿病や高血圧の症状がある場合には、先にそれらの症状を少しでも改善して、健康状態を改善しましょう。高血圧は塩分のとりすぎや生活習慣の乱れなどで起き、50歳、60歳となっている場合は完治が難しい可能性もあるため、気長に改善していくしかありません。

現状で30歳、40歳というまだ若い年齢でED、高血圧、糖尿病気味になっている場合には、早めに解消できるように生活改善を心がけましょう。

いつまでも不摂生を続けているとあとで不健康なままになって、高齢になってからの生活が非常に苦しくなります。食生活もコンビニ弁当や他者の作るものに頼らず、自分で作れるようにし、運動習慣なども栄養バランスなども考えて生活しましょう。

努力次第で早めに解消できて、個人の努力でなんとかできるレベルのものもあるため、まずは食生活から改善して、勃起不全の要因になるようなものは排除しておきましょう。

肝臓や腎臓の病気がある人のED治療

肝臓や腎臓に問題がある方もED治療薬が飲めない可能性があります。そのため、陰茎海綿体注射のような治療法を選ぶことになるかもしれません。

バイアグラやレビトラは全身に血管拡張作用を起こすため、肝臓と腎臓にも負担を掛けることになります。陰茎海綿体注射の場合、ペニス周辺にPGE1が作用するだけになるので、それほどリスクは生じづらいです。

それでも、飲酒は控えて、肝臓のサポートになるようなしじみやアサリなどを補給し、タウリンの多いイカやタコなどの食材を摂取していくと良いでしょう。

少しでもED治療薬が飲める体にするのが理想ですが、どうしようもない場合には、陰茎海綿体注射で勃起不全解消にも期待が持てます。

前立腺に異常がないかも診断が必要

勃起不全になっている場合は、勃起させるのに関わっている前立腺に問題がないかどうか確かめる必要もあるかもしれません。年齢とともに前立腺にも弱さが出てきてしまい、機能面が低下する可能性はあります。

また、重度の前立腺がんになっていると勃起不全になってしまう可能性があるため、勃起不全になっている方は早めに医師に相談しておいたほうが良いでしょう。

尿に関係するトラブル、血尿などがある方は、勃起不全でなくても早めに診断を受けておきましょう。

また、前立腺がんを治療した後に、射精できなくなったり、勃起できなくなったりすることがあるため、治療や手術を行う前にしっかりと妻にも相談し、できるだけ勃起できるような状態で治療を進めるのが理想です。

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